舟を編む(三浦しをん)
私の大好きな小説の一つです。
映画化もされていますよね。バッチリ録画しています(^O^)
小説も2.3回読んでいると思います。
私は作家が紡ぐ言葉のあやが大好きで、そういう作家の本を探すのが好き(^O^)
この「舟を編む」は「大渡海」(だいとかい)という辞書を作っていくという内容の小説です。
辞書を作るとは、ものすごい膨大な言葉の意味や使われ方を吟味していくものなんですね。
今はもうほとんど使われていない言葉も、もし誰かがその意味を知りたいと思った時に、辞書を開くかも知れないと思われる言葉は、辞書を載せるに値する言葉で、
過去の日本では全く使用されていなかった「口語」、流行り言葉も世間でその言葉が定着したと認められると、その流行り言葉は辞書に載るに値する。
「愛」「恋」という言葉の意味は、以前なら当たり前のように、「異性」に対して使われるとされていたけど、今ではいろんな形の「愛」や「恋」があって、もっと大きな形の意味を問われる。
そういうことを全部考えて作っていかないといけないのだから、辞書を作るって改めてすごいんだと感心させられる。
私が小説の中で、印象に残ったものとして、
「のぼる」と「あがる」という言葉があります。
一見、同じような意味を考えてしまうけど、
「天に昇る気持ち」と言っても「天に上がる気持ち」とか言わない。
「山にのぼる」と言っても「山にあがる」とは言わない。
と、作者が書いているのを見て、すごく共感しました。
この小説の「大渡海」という辞書も16年ほどの歳月がかかったとされています。
そして、作られた翌年にはもう改訂版の仕事に取り掛かると。。。
私が持っている辞書は、初版がなんと!私が生まれた年でした(^O^)
それから3回改訂されて、昭和43年に買ったみたいです。
今はもう、ネットで、何でもすぐにわかるし、調べられます。
それでも、この小説を読んで、辞書を言う1冊の本に膨大な言葉の多様性を全部織り込んで作っていく方々の「愛着」と「執念」がとても心地よく感じられる。
とても素敵な作品だと思っています(^O^)
ちなみに、この小説を読んでいて、完全に私の頭の中で、主人公の「まじめ」さんは、松田龍平さんで、妻の「かぐや」さんは宮崎あおいさんでした(↑▽↑)
「のぼる」は上方に移動する過程に重点が置かれていて、「あがる」は上方へ移動して到達した場所自体に重点が置かれている。